運送会社はどこ(何路)を行く?

運送会社

宅配便などでいつもお世話になっているのが運送会社です。

運送会社とは荷物や人間などを運んでくれる会社のことで身近なところでは西濃運輸、 佐川急便、クロネコヤマト、アート引越しセンター、引越しのサカイなどがあり、 街中を走っている社名入りのトラックも頻繁に見かけることがあります。 ですが運輸業には荷物を運ぶだけでなく人間を運送する会社もあり、タクシーやバス、 鉄道や飛行機、フェリーも運送会社に含まれるので、思っている以上に我々の生活に 密接に関わっていることに気付いている人は少ないでしょう。 なんでもかんでも運んでくれる運送会社ですが、人間を運ぶ業務は旅客輸送、荷物を 運ぶことは貨物輸送と分けられます。 個人で使われる自家用車でも人間の座るスペースと荷物を積み込むスペースが違うよう、 運送会社も旅客と貨物では全く違う手段で輸送することになります。 例えば注文住宅が完成したのでマンションから引越しをする場合、荷物にはアルバムが 10冊詰め込んであるダンボールやタンス、大きな冷蔵庫やどうしても捨てられない マネキン人形、形見のピアノや使い込んである食器棚、買ったばかりの3Dプリンタ とそれで制作したオブジェ、おおきなのっぽの古時計などがあるでしょう。 これらを運送会社の引越しセンターに依頼して新築された住居へ運んでもらう場合、 トラックの荷台に載せて輸送することになります。 けれども人を輸送する場合トラックの荷台を使って移動させることはまずありません。 少なくとも日本で運送業を営んでいる会社の中にはそうした運び方をする所はなく、 人間用のスペースが確保された乗り物での移動となります。 バスや電車なら座席がありますし、混んでいて座れない人にはぶら下がっている吊革 が用意されているので気を緩めなければ安全に目的地まで届けてもらえます。 一般道を走行するタクシーなら自家用車並みの座席が整っていますので、快適に座って 目的地に到着するまでの時間を過ごすことができます。 横幅の大きな人との同乗で席が足りない場合は立って移動するのではなく、安全を 優先してもう一台タクシーを呼びますし、ダンボールを運ぶのとは違ってその環境も 重要視されるでしょう。 貨物なら一度にたくさん運べることが肝心ですが旅客だとその間安全で快適に過ごす ことができるかも大事な問題になるので、使われる車両や設備も別の物になります。 なので運送会社という括りでは業務に使用されるアイテムはどんなものか、何を輸送 する会社かわからなければ予想することはできません。 運送業をやっている会社だから「大きなトラックが何台もある会社なんだな」と勝手に 思いこみ、「今度トラックがずらりと並んでいる大迫力の写真撮らせてよ」と頼んだら 「うちはコンテナ船とタンカーしかないよ」と返答されるかもしれないのです。 そこで「そっちの方が迫力ありそうだ、ぜひお願い!」と切り返すことが出来る人なら まだいいのですが、「え、トラックないんだ。残念だけど他の会社を探すよ」と落ち 込むような人だと、「運送会社=トラック」の先入観は危険でしょう。 相手にも失礼ですし自分もガッカリでいいこと無しです。 せめて何を運送する会社なのかを先に確認してから話を進めるべきでしょう。 また全ての運送会社が陸路とも言えず、空を飛んだり海を渡るものもあります。 日本国内だけなら陸路だけでもたいていの地域はカバーできますが、フィリピン産の バナナやアメリカ製のジーパンが欲しいと思ったら陸路だけではちょっと無理そうかな、 と思えますし、国内限定でも札幌から福岡のように端から端までの距離となると貨物 の量によっては陸路では効率が悪い場合もあるでしょう。 なので距離以外の要因でもどの経路がベストか変わり、旅客機にするか新幹線にするか タクシーを使うか、まさにケースバイケースです。 トラックやタクシー、鉄道など陸上の輸送は陸運、フェリーなど海上や河川なら水運 あるいは海運、空を飛ぶ飛行機ならば空運と分けられます。 これらずべてをひっくるめて運送会社と呼ぶのです。